あゆち潟の歌碑
愛知の名の由来ともいわれるあゆち潟の跡に建つ諏訪神社の境内にあります。歌碑に刻まれているのは、知多の浦を詠んだ歌で、万葉集にもおさめられています。のどかな情景を詠んだこの歌に、悠久の時への思いをはせてください。 ■歌碑 ・旧歌碑右 旧歌碑表 巻7-1163 作者不詳 【年魚市方塩干家良 思知多乃浦爾朝榜 舟毛奥爾依所見】 「年魚市方(あゆちがた)塩干にけらし知多の浦にあさこぐ舟も沖によるみゆ」と詠む。 ・新歌碑裏 文化15年(1818)歳春 吉田定興建 并書 【新歌碑】年魚市方塩干家良 思知多乃浦爾朝榜 舟毛奥爾依所見「あゆち潟潮ひにけらし 知多の海に朝こく 舟も沖に寄る見ゆ」 と刻まれている。 この歌は、地方歌にしては珍しく、地名のはっきりした歌である。「あゆち潟」は、「あゆち」に沿う海辺、すなわち「旧愛知郡」の海辺で、現在の名古屋市南区笠寺町付近をさしている。 「知多の浦」は、現在埋め立てられて名古屋南部臨海工業地帯となっている。名古屋市南部から東海市、知多市にかけての遠浅の海岸をいったものであろう。 ■交通 名鉄常滑線尾張横須賀駅、北東へ1km。