ちたまるナビ会員の方

ID/Mail
パス
ワード

K's Gallery

武下久美子
東海市在住。

1996年、病に倒れ、原因不明の難病「RSD」を発症。両足と手足の自由を失う。 発症から1年半が過ぎた頃、友人に勧められて絵と出会う。 以来、自宅で闘病生活を送りながら、わずかに動く右手で絵を描き続けている。 友人や家族の協力で、旧東海市民病院や東海市市民活動センターなどで個展も開催。 2002年には作品を集めた著書『自分との闘い 自分への励まし』を出版し、 病気と向き合う辛さや周りの人たちへの感謝の思いを綴った。 全身に強い痛みが走る難病と闘いながらも前向きに生きる武下さんの姿は多くの反響を呼んでいる。
モバイル版
学校メルマガ
ちたまる安全安心メルマガ
東海市子育て情報メルマガ
ニュース
ぐるりお遍路の旅
JTB

2011年 3月 7日のコラム

ガザリアガズー 花言葉「あなたを誇りに思う」


1月11日(火)病院外来の日。

麻酔科治療、リハビリ(PT・OT)、診察、と済んだ後、
病院を出るのが3時過ぎ。
でもこの日は順調に進み、病院を出たのが2時過ぎ。

主人が、“お婆ちゃんに会いに行こう”と言い、
二日続きの外出は体に負担ではありましたが、
この日を逃すといつ施設にいる母に会えるか分からないので、
名古屋まで行く事にしました。

施設に着き、母に声を掛けると、
何故か母は私を見ようともせず、
主人の顔を見て嬉しそうに、
“武さん、来てくれたの♪♪”
私は急にドキドキして、
“お婆ちゃん、久美子だよ、分かる?”
私の顔を見た母は無言。
私の顔を忘れてしまった;;
主人の顔は覚えているのに。
(主人は時々一人で、母に会いに行っていました)

その数十秒後、
“久美子・・・?久美子だね、来てくれたの?あー、嬉しい♪♪
朝起きた時、今日は久美子に会える、来てくれると思っていた。
もう久美子と離れたくない”と
涙ながらに私の手を握って。

母の涙を手で拭いてあげながら、
“ごめんね、中々会いに来られなくて。
久美子の事忘れていないよね”
“忘れてなんかいないよ、いつも思っている♪♪”
母の優しい笑顔でホッとし、
40分程で母のいる施設を後にしました。

1年3ヶ月ぶりに会う母は、
また歳をとって小さく見えました。(90歳)